◆この違い、実はけっこう重要!
たとえば店舗を経営していて、こんなことありませんか?
- 「近所の人が善意で修理してくれた」
- 「社員が勝手に修理業者を呼んでいた」
これ、一見ありがたい話に見えますが、
実は「契約」があるかどうか”で、お金のやり取りや責任の重さが大きく変わってきます。
ここで登場するのが【法律用語】である
「事務管理」と「純委託契約(=準委任契約)」。
「ややこしそう…」ですがこの記事を読み終える頃にはスッキリしている(と思います・・・)
◆まずざっくり言うと…
【事務管理】=頼まれてないけど、勝手にしてくれた(おせっかい?)
▼事例:飲食店オーナーとご近所さん
ある日、飲食店オーナーの店の前で水道管から水が噴き出していた。
たまたま通りかかったご近所のAさんが、「これはマズい!」と判断し、
お店に連絡する前に勝手に水道業者を呼んで応急修理をしてくれた。
数日後、Aさんから「修理代として5,000円だけ払ってくれる?」と請求されること。
これが事務管理です。
契約はしていないので報酬は払わなくてOK。
ただし、Aさんが実際に支払った修理費(実費)は返す必要があります。
【純委託契約(準委任)】=頼んでやってもらった
▼事例:美容室オーナーと知人の内装業者
美容室のオーナーBさんが、知人の内装業者Cさんに「カーテンレールが壊れたので見てもらえますか?」とお願いした場合。
Cさんは快く引き受けて、業者を手配し修理も完了しました。
後日、Cさんから「材料費と手間賃合わせて12,000円です」と請求が届く。
この場合は、オーナーがCさんに業務を依頼していたため、
準委任契約が成立しています。
契約に基づいて、報酬(作業料)や実費を支払う必要があります。
◆どっちか曖昧だと、トラブルのもと!
実際に起きるのはこんなトラブルです:
- 「頼んだ覚えがないのに、あとから“お金払って”って言われた」
- 「ちゃんとお願いしてやってもらったのに、“ボランティアでやった”って言われた」
つまり、契約があったのか/なかったのか、当事者の認識がズレてると揉めるんです。
小さなお店や会社でも、
- 社員に「ちょっとやっといて」と曖昧に頼んだつもりが高額請求に発展
- ご近所の「善意」への謝礼が思わぬトラブルに
といったように、善意や日常的な信頼関係が、法的にはあいまいな立場に変わってしまうことがあるのです。
◆社会保険労務士からアドバイス!
法律的に見ると、「頼んだ」「頼んでない」だけでなく、
「どういう目的でやったのか」「どんな状況だったのか」も重要です。
でも現場では、いちいちそんな細かく確認してられないのが実情…。
だからこそ――
・ 何かをお願いするときは「契約書やメモ」で形に残す
・ 逆に、頼まれてないことをやるときは「念のため確認をとる」
この2つがトラブル防止のカギになります。
◆まとめ
- 「事務管理」は、頼まれてないけど善意でやってくれた行為(報酬ナシ・実費だけ)
- 「純委託契約(準委任)」は、頼んでやってもらった行為(契約に基づく報酬アリ)
- 契約があるかないかで、お金と責任が全然ちがう!
◆「こんなときどうする?」は、いろはに聞いてください!
- 「これって契約になるの?」
- 「ボランティアと業務の線引きがむずかしい…」
そんなときは、お気軽にご相談ください!
【社会保険労務士事務所いろは】は、
お店や会社の「困った!」によりそい、
“むずかしいを、わかりやすく”をモットーにサポートしています!